▼師走になった。暖秋が一転して冬の到来である。気象庁の予報だと、今年は平年並みの冬らしい冬で、日本海側は大雪になる可能性が高いという。ラニーニャの影響とか。しかし、ここ数年暖冬が続いてきただけに、にわかには信じられない。特に昨年から今年にかけては記録的な暖冬だった
▼それにしても、これだけ科学が発展し、AI(人工知能)も進歩したというのに、なぜ天気予報は外れるのか? 気象予報士は合格率5%前後という超難関なのに、なぜ人によって予報にバラツキがあるのか? もちろん、日々の予報は昔に比べたらはるかに当たる。雨雲レーダーなどにより分刻みで天気がわかる。が、長期予報は外れることが多い
▼「バタフライ・エフェクト」と呼ばれる現象がある。出発点が少しでも異なると、予測とは違う未来になるという現象だ。シミュレーションの基になる初期値には誤差がつきものという
▼人は一つの特定のシナリオによって安心を得たい。それをメディアも予報士もわかっているから、できるなら確実なシナリオを提供したい。しかし、いまはまだ無理。確実なのは地球が全体として温暖化していることだけか。