労組の役員選挙に介入したのは不当労働行為だとして、三重県労働委員会が伊賀市の高木忠幸上下水道事業管理者に対し、組合員らに謝罪するよう命じたことが5日、県などへの取材で分かった。
命令書によると、高木氏は令和4年9月に実施された市上下水道部労組の役員選挙で、特定の組合員に立候補するよう勧めたほか、他の組合員には立候補を思いとどまらせようとした。
労働委は命令書で、高木氏の行為について「組合の運営に対する介入があったと認められる」と指摘。再発防止を誓う旨の謝罪文を、市上下水道部の庁舎内に掲示するよう命じた。
問題をめぐっては昨年6月、組合の元執行委員長が役員選挙で違法な介入を受けたとして、労働委に救済を申し立てた。労働委は関係者に対する聞き取りの結果などを踏まえ、命令を決めた。
稲森稔尚市長は取材に「特別職の上下水道事業管理者がこのような事態を引き起こしたことは許されず、厳正な処分を検討する。全ての職員が安心して働けるよう、全力で対応する」と話した。