【津】鈴鹿市中冨田町の常念寺僧侶で令和3年に逝去した画家、野田眞章さん=享年85=の遺作展が4日、津市中央の三重画廊で始まった。県立高の美術教諭と並行し数多くの作品を残した野田氏の足跡を、8日までの第1週で水彩画、11―15日の第2週で油彩とアクリル画を中心に振り返る。
野田さんは鈴鹿市に生まれ、京都学芸大(現京都教育大)、同大院を修了後ふるさとに戻り僧侶、教員と並行し制作を続けた。令和3年の個展直後に「目標がないと」と3年後の会場を予約した2週間後に逝去。故人の遺志を継ぐ遺作展となった。
国内外の風景や、仏教を題材にした作品、枯れたハスの花托(かたく)など、緻密に描写しており同画廊の山本賢司さんは「古く朽ちたものを多く描かれている。時代を経たものに美しさや生命力を感じていたのでは」と推察。妻の敏子さん(87)は「とにかく絵を描くことが生きがいだった。多くの方に見ていただけるのはうれしい」と感想を話した。