
【志摩】三重県の志摩市はこのほど、世界的建築家の坂茂さんが代表を務めるNPO法人「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」(東京都)と、災害時に避難所で使用する間仕切りシステムや段ボールベッドなどの供給に関する協定を結んだ。全国の自治体と災害時協定を結んでいて、今回で65例目。県内の自治体との締結は初めて。
同ネットワークが考案した間仕切りシステムは、紙管の柱と梁(はり)を組み立てて布のカーテンを梁にかけると、2メートル四方の空間をつくることができる。避難者の人数に応じて紙管の梁を連結し、拡張することができるという。
同ネットワークは被災者の住環境に対する支援事業に力を入れ、東日本大震災や熊本地震、能登半島地震などの避難所に間仕切りシステムを供給。志摩市も災害時、同ネットワークから円滑に間仕切りシステムの供給を受けることで、プライバシーの確保や感染症対策など避難生活の質の向上につなげる。
市役所であった締結式には、橋爪政吉市長と同ネットワークの原野泰典事務局長が出席し、坂さんがビデオメッセージを寄せた。
橋爪市長は「協定が市民の安心、安全につながれば。災害時に心強い味方がいることを市民に知ってもらいたい」と話した。