三重県選管は29日、県内の政治団体が届け出た令和5年分の政治資金収支報告書を公表する。収入総額と支出総額は3年ぶりに減少。収入は平成元年以降で2番目に少なく、支出は3番目に少ない。いずれも国政選挙がなかったことが影響したとみられる。
県選管によると、県内では提出義務のある913団体のうち、894団が10月末までに報告書を提出した。提出率は97・9%で、前年との比較では0・9ポイント上昇した。県選管の事務局やホームページで報告書を公表する。
■収入
収入額は約10億9797万円で、前年から9・9%(1億2095万円)の減少。政党の収入は11・5%減の7億7150万円、その他の政治団体は6%減の3億2647万円だった。
政党別で収入が最も多かったのは自民で、3億9086万円。前年との比較では20・9%減少した。次いで多かったのは共産で9・9%増の2億1933万円。立憲民主の7828万円(11・2%減)が続いた。
項目別で最も多かったのは寄付の4億1757万円だが、前年比では18・5%の減少。次いで多かったのは本部や支部からの交付金で、27・2%減の3億5049万円。事業収入の1億6644万円(90・4%増)が続いた。
■支出
支出総額は10億8995万円で、前年に比べて9・8%(1億1784万円)の減少。うち政党は12・7%減の7億8354万円。その他の政治団体は1・4%減の3億640万円だった。
政党別での最多は自民で4億1595万円。次いで多いのは共産の2億752万円。以降は立民、公明、日本維新の会、国民民主、参政、社民の順。共産、参政、維新、社民は前年比で増加し、自民、立民、公明、国民は減少した。
政治活動費は19・1%減の5億6436万円。うち寄付・交付金が最多で11・9%減の1億8595万円。組織活動費の1億7553万円(22・9%減)が続いた。選挙関係費は54・1%減の3077万円だった。
■その他の政治団体
収入額のトップは石原正敬元衆院議員の資金管理団体「風雲会」で、3330万円だった。次いで多かったのは県看護連盟で2174万円。田村憲久衆院議員の後援会(1877万円)が続いた。
一見勝之知事が代表を務める「三重の明日を拓く会」は4位で収入額は1354万円。前年は9位(610万円)だった。同じく一見知事を支援する「いちみ勝之後援会」は前年に続き、10位以内には入っていない。
■パーティー
前年より5団体多い17団体が政治資金パーティーを開いた。回数も前年より17回多く、36回。パーティーによる収入の総額も1億3976万円で、前年より81・8%(6287万円)増えた。