学生ら地域課題の解決策考える 尾鷲高で発表会、ふるさと納税やSNS活用を提案 三重

【紀北町の地域課題を説明する学生ら=尾鷲市古戸野町の県立尾鷲高校で】

【尾鷲】三重県尾鷲市古戸野町の県立尾鷲高校で26日、地域課題の解決策を考える「まちいく」の成果発表会があった。2年生の代表者が市や紀北町の職員に、同高と1次産業をPRするイベント交流やSNS(交流サイト)運用を提案した。

市によると、学生目線で地域創生の施策を考えてもらおうと、同高と三重大、両市町が連携して平成27年に始めた取り組み。本年度は6月から普通科2年生85人が紀北町と尾鷲市担当で各8班を作り、グループワークを進めてきた。

この日は、プレ発表時の投票で選抜された各3班が成果を披露。市ふるさと納税を活用した同高の魅力づくりを取り上げた班は、釣った魚を返礼品にする学生釣り大会の開催や、尾鷲ヒノキや魚介類を紹介するSNSの活用方法を提案した。

町の1次産業などの担い手確保について検討した班は、伊勢市の伊勢神宮や多気町のVISONなど、県の観光名所にアンテナショップを開店する案や、馬越峠や燈籠祭の魅力を写真投稿アプリ「インスタグラム」で発信する案を披露した。

加藤千速市長は「市出身者が尾鷲高校に入学してくれる魅力づくりが必要。ぜひ市と組んでやっていこう」と強調。尾上壽一町長は「的確に課題を捉えていたと思う。町について学ぶことで魅力を見いだしていただけてうれしい」と話した。

市は昨年度に学生が提案した熊野古道の整備事業を本年度予算に計上して実現している。本年度の提案も実現すべく、今後も市と学生らが連携して検討を進める方針。