伊勢新聞

2024年11月23日(土)

▼日頃見慣れていると感じないが、日本のテレビ番組はユニーク過ぎる。特に、ワイドショー、情報番組、報道番組は、このデジタル時代、ペーパレス時代に、なぜ「紙芝居」のようなことをやっているのだろうか。パネルボードに貼られた紙を一枚一枚剥がして、司会者が話を進める。そして専門家でもないゲストがコメントする

▼人気の『羽鳥慎一モーニングショー』では、ボード作りが徹夜で行われ、何度も修正するという。こちらは印刷した紙が使用されるが、『サンデーモーニング』は手書きのフリップ、『ひるおび!』に至っては、手作り天気図に、雲には綿、台風にはプラスチック板が使われている。まるで、小学校の図工の世界だ

▼「安上がりのうえ、視聴率も取れる」というが、「生」放送なのだから、スタジオからの紙芝居放送ではテレビの価値がないのではなかろうか。現場中継も圧倒的に少ない

▼海外の番組は大抵キャスターの後方に大型スクリーンがあり、生中継とCG画面で構成されている。それを指摘すると「高齢者はデジタルについていけない」という。どおりで、パネルの文字も大きいわけか。