「意義深い12年間」 岡本伊賀市長が退任会見 三重

【記者会見で3期12年の市政運営を振り返る岡本市長=伊賀市役所で】

【伊賀】岡本栄伊賀市長(73)は20日、任期満了を迎えて退任した。退任を前に市役所で臨んだ記者会見では「地域にとって非常に意義深い12年間だったと思う」と振り返った。

岡本市長は3期12年を「85点」と自己採点した上で「歴代の市長では1位だと思う」と強調。「そのように評価されるかは分からないが、市政がこけてから気付くだろう」と語った。

「誇らしいのは、ぶれなかったこと」と強調。建築家の坂倉準三氏が設計した旧市役所の利活用に向けた道筋を付けたことや財政健全化の取り組み、子育て支援の充実などを成果に挙げた。

新市長に就任する稲森稔尚氏(41)には「これまでは批判勢力だったが、今後は責任を負う立場になる」と指摘。「鶴の一声で市政は進まない。しっかりと対話されれば良いのでは」と語った。

退任後は「鴨長明(のように過ごす)。健全なひきこもりになる」と説明。「何をするかと聞かれれば終活」とも。21日は、自らが展示品を提供している和歌山県内の美術館を巡るという。

会見は「明日から朝寝ができるのがうれしい」と切り出した。「木枯らしの荒れて水面のなお静か」と、退任にあたっての俳句を披露。「これからの市政は大変だ」と繰り返し語っていた。

この日は退任のあいさつ状を作成する業務などに当たったという。「始めがあれば終わりがあるだけ」として、退任のセレモニーは開かず。幹部職員らにあいさつをした後、市役所を後にした。

岡本市長は関西テレビ放送のアナウンサーなどを経て、平成24年の市長選で初当選。今月10日に投開票された市長選では4選を目指して立候補するも、前県議の稲森氏に敗れて落選した。