伊勢新聞

土器の文様を和紙に 伊勢・北浜小児童ら「拓本」に挑戦 三重

【土器の文様を写し取った和紙を手にする児童=伊勢市の北浜小学校で】

【伊勢】三重県伊勢市の北浜小学校で19日、地域の遺跡や土器について学ぶ体験学習が開かれた。6年生7人が、市内で出土した土器を使い、土器に刻まれた文様を和紙に写し取る「拓本」に挑戦した。

地域学習に取り組む同校の「北浜まちづくり会議子ども委員会」の6年生の委員らが、地元の歴史を学ぼうと企画。市文化政策課の学芸員山本翔麻さんを講師に招いた。

山本さんは、市内には旧石器時代から近世の遺跡が約500カ所あると説明。北浜地区の「高ノ御前遺跡」を紹介し、「この地域に、1500年前には人が暮らしていたことが分かる」と話した。

続いて、考古学の代表的な調査方法である拓本を体験。児童らは、市内の大仏山で出土した古墳時代の土器の破片を和紙で包み、水で濡らして密着させた。少し乾いたところで「タンポ」と呼ばれる道具を使って墨を均一につけ、文様を和紙に写し取っていった。

体験した山口仁菜さん(12)は「複雑な文様が写し取れた。土器は古いものなのに、とても硬くて丈夫。昔の人が使っていた土器を手にしたら、その時代に行った気分」と話していた。