伊勢新聞

四日市市長選に3氏出馬 24日投開票、舌戦始まる 三重

【(右から届け出順に)森智広候補、伊藤昌志候補、小川政人候補】

【四日市】任期満了(12月23日)に伴う三重県の四日市市長選は17日、告示された。3選を目指す現職の森智広氏(46)=2期、水沢町、自民・立民・公明・国民・維新推薦=、無所属の新人で元市議の伊藤昌志氏(54)=茂福=、同じく元市議の小川政人氏(76)=富田一色町=(届け出順)が立候補し、選挙戦が幕を開けた。

中心市街地再開発の進め方、大学誘致や新図書館設置の是非などが焦点。3氏は立候補を届け出た後、第一声を上げ、舌戦に入った。投票は24日午前7時―午後8時に市内61カ所で実施。開票は四日市ドーム(羽津甲)で同日午後9時半から。同11時20分ごろの結了を見込んでいる。期日前投票は、市総合会館(諏訪町)▽三重北勢健康増進センター(塩浜町)▽市防災教育センター(富田2丁目)▽市中消防署中央分署(曽井町)▽市南消防署南部分署(泊村)▽市北消防署北部分署(中村町)―で18―23日の午前8時半―午後8時に、トナリエ四日市4階(安島1丁目)で21―23日の午前10時―午後8時に実施される。

16日現在の選挙人名簿登録者数は25万2373人(男12万6083人、女12万6290人)。前々回(平成28年)市長選の投票率は36・02%だった(前回は無投票)

森智広候補の第一声 文化施設、教育を整備

森候補は午前9時30分、四日市市安島の近鉄四日市駅前ふれあいモールで第一声を上げた。衆・参議員、県・市・町議ら支援者約100人が応援に駆けつけ、多くの通行人らが足を止めて聞き入っていた。

森候補は、中心市街地再開発プロジェクトに触れ、「近鉄四日市駅から中央通り、JR四日市駅周辺にエリアを広げ、30年間止まっていた町がダイナミックに動き始めました。まだまだ、道半ばですが、文化施設、教育機関の整備を図っていきたい」と力強く語った。

「皆さんの意見を聞き、力を頂きながら、県の中核都市として、東海エリアをけん引していくという強い思いです。子育てと教育の充実、人口減少のスピードを緩めること、産業振興、都市インフラ整備に力を注ぎ、20年後、30年後に続く、しっかりとした町づくりを成し遂げていきたいと思っています」と、熱く語りかけた。

第一声の後、森候補は支援者らの「元気もりもりガンバロー」コールに送られて街宣車で出陣、公務をはさんで市内4カ所で街頭演説をした。

伊藤昌志候補の第一声 箱ものから人への政治

伊藤候補は午前10時すぎ、四日市市安島1丁目のトナリエ四日市前で第一声を上げた。通行する人や車の運転者に「皆さんと同じ、一市民の私が市長になれたなら、世の中が変わる。一緒に四日市を変えていこう」と呼びかけた。

伊藤候補は「四日市の市政が年々偏っていく。貯金を使う。借金をする。市民のための政治をしていない」と、今の市政運営を批判。

市中心部の「中央通り」の再開発についても「中心市街地にお金をかけすぎ。市の真ん中に(歩行者用)円形デッキができることで人口が増え、税収が増えればいいが、市全体が良くなることは絶対にない。維持費もかかって負の遺産になる」と指摘し、「箱ものから人への市民目線の政治をする」と主張した。

さらに「市民税減税10%」「全市民に5千円分の買い物券を給付する」と自身の政策を訴え、「この二つで四日市を必ず活性化させる」と断言。「完全無所属で挑んでいる。皆さんの力がないと勝てません。どうか力を貸してください」と訴えた。

小川政人候補の第一声 災害に強い道路造りを

平成3年の初当選から四日市市議を連続8回務めた。首長選に出馬するのは初めて。

報道陣の取材に応じ、中央通りの再開発を含め、これからのまちづくりの進め方について「延伸と同時に災害に強い道路造り(電線の地中化)などが必要。自動車の自動運転に向けた道路造りの構築も必要」とし、JR四日市駅前で検討が進む大学設置構想の今後については「大学や研究機関は必要だが、災害浸水区域に大学のキャンパスを設置することには疑問がある」と話した。

市内の慢性渋滞への対応については「30年近く前に、北勢バイパス造りに反対運動が起きると同時にコンクリートから人へと政策転換があったので、本市の道路行政に遅れが生じた。今後スピードアップしていくべきだ」と話した。また、少子高齢化による人口減少、市の財政にどう向き合うかについては「コンパクトシティを目指して住宅地の抑制をしたのは間違いだった。財政にも悪影響を及ぼしたのではないか。現在の四日市は積極的に人口増加に取り組むべきだ」と述べた。