桑名市長選に2氏立候補 24日投開票、現新の選挙戦開幕 三重

【(右から届け出順に)平山正一郎候補、伊藤徳宇候補】

【桑名】任期満了(12月18日)に伴う三重県の桑名市長選は17日、告示された。無所属の新人で元トラック運転手の平山正一郎氏(49)=長島町松ケ島=と4選を目指す現職の伊藤徳宇氏(48)=3期、神楽町、自民・立民・公明・国民推薦=(届け出順)が立候補し、選挙戦が幕を開けた。

大山田PAスマートインターチェンジ化の是非、防災対策、子育て・教育支援などが焦点。2氏は立候補を届け出た後、第一声を上げ、舌戦に入った。投票は24日午前7時―午後8時に市内37カ所で実施。開票はヤマモリ体育館(中央町)で同日午後9時15分から。同11時20分ごろの結了を見込んでいる。期日前投票は、市役所5階中会議室▽多度地区市民センター1階ロビー▽長島地区市民センター1階ロビー―で、18―23日の午前8時半―午後8時に、桑名駅自由通路近鉄改札口付近で18―22日の午後5時―午後8時に実施するほか、市内商業施設、高校など5カ所で18―23日に実施される。

16日現在の選挙人名簿登録者数は11万2881人(男5万5243人、女5万7638人)。前回市長選の投票率は45・43%だった。

平山正一郎候補の第一声 未来の交通、電動車椅子

平山候補は午後3時ごろ、桑名市長島町松ケ島の選挙事務所前で第一声。支持者約20人を前に「現職は財政改革を実績として強調するが、住民サービスを削ってお金が貯まるのは当り前」と批判し「本当に今のままで良いのか考えてほしい」と訴えた。さらに「保育園で子供が虐待を受けて良いのか、小学校がなくなって良いのか、祭りがネットで炎上して存続が危ぶまれて良いのか、スマートICで莫大な借金を抱えて良いのか、カジノで破綻して良いのか、判断してほしい」と強調。「投票に行かないと絶対に変わらないので行ってほしいし、どれか一つでも嫌なら私に投票して」と述べた。選挙戦では、身体障害者である平山候補ら3人が電動車椅子に乗り、3台で市内を回る。平山候補は「長島にはコミュニティバスが一日4本しかない。未来の交通手段の一つとして知ってもらいたいので、全国初だと思うが、電動モビリティで回り、一つの提案をしたい」と説明。「車がなくても、免許を返納しても、買物や病院に行けると分かる。気軽に乗れるので、出かけるきっかけにしてほしい。ただ長生きするだけでなく、元気で長生きして」と訴え、電動車椅子で遊説に向けて出発した。

伊藤徳宇候補の第一声 スマートICを形に

伊藤候補は午前10時から、桑名市大福の選挙事務所で第一声。集まった支持者約150人(主催者発表)を前に、大山田PAスマートインターチェンジ(IC)事業化決定、中高一貫校・多度学園整備など3期目の実績を示した上で「次から次へと課題が起きる時代に、市民とともに挑戦してきた。一緒に挑戦を続け、難局を乗り越えていきたい」と力を込めた。

4期目では「スマートICを形にし、多度南部エリアに抜ける北部東員線を造る。12年で30件の企業を誘致したが、誘致にも弾みが付く。市を10年後に不交付団体にしたいので、しっかり稼ぐしかない」と強調。独居の高齢者、不登校児童、引きこもりなど孤独な人が増えている現状に対しては「圧倒的なデジタル化で公務員を市役所から解放し、もっと市民と向き合う仕事に就けるようにする。市全体が大家族のように繋がる町を目指す」と述べた。

出陣式には、衆院議員の岡田克也・中川康洋両氏、参院議員の吉川有美・山本佐知子両氏、金森正国民県連代表、地元選出の県議、市議、県内市町の首長らが出席。伊藤候補は、冨田薫市議会議長の音頭でガンバローコールを三唱して気勢を上げ、街宣車で遊説に向かった。