伊勢新聞

2024年11月16日(土)

▼大統領選を圧勝したトランプ前大統領は、早くも次期政権に向けて動き出した。プーチン露大統領と勝手に電話外交をし、人事構想も表明。選対本部長を務めたスーザン・ワイルズ女史の首席補佐官起用を手始めに、周囲を「忠誠人間」で固め出した。もちろん、2人の功労者、イーロン・マスクとケネディ・ジュニアには論功行賞を出す

▼こうしたなかで注目されるのが、報復人事。刑事訴追されたことから、司法省にも介入し、自分に不利な証言をした高官を追放する。また、財界および金融界と官僚エリートなどからなる「ディープステート」を一掃すると宣言しているので、それを実行に移すという。まさに、「勝てば官軍」である

▼となると、懸念されるのが大統領の暗殺。陰謀論に立てば、これまで多くの大統領が、「闇の勢力」の襲撃を受けてきた。リンカーン、ケネディは暗殺され、ジャクソンやレーガンは殺されかけた。トランプはFRBを敵視し、パウエル議長を解任しようとしているだけに、なにが起こるかわからない。映画『シビルウォー』のような未来は、じつはすぐにでもやって来るのかもしれない。