▼組織を構成する人員が多くなればなるほど、1人や2人の不心得者が出てくることは、不思議ではない。が月1、2回の県教育長会見で、毎回のように教職員の懲戒処分案件が発表になる。石川や浜の真砂は尽きるとも、という思いにさせられる
▼12日の会見でも処分案件が公表、示唆された。よくある事案である。一つは「生徒の様子に腹を立てた」県立高教諭が右胸付近を足の裏で蹴り、右手の指先で頬をたたいた。足を使うというのは体罰が指導として通用していたころでもやり過ぎと言われ、わが母校の教諭は停職処分になった。今回は生徒にけががないことなどから行政処分の文書訓告となり「公表基準には該当しない」として教諭の性別も明らかにされなかった
▼県民、特に蹴飛ばされた保護者の立場からは素直に受け取れぬ「基準」だろう。身内で“ご都合主義”の内規を作っているとみえる。もう一つは、県立高の野球部監督を務める教諭が複数回にわたって同僚の机から現金を盗んだとして、日本学生野球協会から無期謹慎の処分を受けた
▼先月10日から部活動の指導を外れているが、福永和伸県教育長によると「まだ調査中」で、県教委として「それなりの処分にするのか、文書訓告のような形にするのかは発表させていただく」そうだ。“それなりの処分”というのがいわく言いがたし、例の内規か。仲間内にだけ通用する言葉なのだろう
▼「公教育に対する信頼を損なったことを深くおわび申し上げる」という。どこまで本気か。少なくとも、処分に「おわび」の気持ちが入り込む余地はなさそうだ。