伊勢新聞

伊勢萬「おかげさま大吟醸」が最高賞 名古屋国税局酒類鑑評会の吟醸酒部門 三重

【最高賞の局長賞受賞を喜ぶ村田社長(右)と杜氏の船木さん=伊勢市宇治中之切町の伊勢萬内宮前酒造場で】

【伊勢】東海四県(愛知、三重、岐阜、静岡)の酒蔵が清酒の出来栄えを競う名古屋国税局酒類鑑評会で、三重県伊勢志摩地域で唯一の清酒蔵「伊勢萬」(伊勢市)の「おかげさま大吟醸」が、最高賞の名古屋国税局長賞に選ばれた。

鑑評会は、吟醸酒、純米吟醸酒、燗(かん)酒の3部門に、計212点が出品。9月に公設試験研究機関や学識経験者らが品質評価を行い、吟醸酒部門で「おかげさま」が局長賞初受賞となった。村田光晴社長(61)は「うれしく、光栄。猛暑の影響で米が硬くなり、どの蔵も酒造りに苦労する中で、良質な酒に仕上げたことが評価された。お客様に自信を持って提供できる」と話す。

「おかげさま」は、米本来の甘みとフルーティーな香り、すっきりとした味わいが特徴。同社が伊勢神宮内宮近くに構える小さな酒蔵で、五十鈴川の伏流水と厳選した酒米を使って仕込む。これまでも国内外の品評会で受賞するなど、評価を得てきた。

杜氏の船木健司さん(45)は「原料の酒米が高温障害で硬くなり、米本来の味わいを十分に引き出すのが難しく苦労したが、報われた。客観的な評価は励みになる。さらにいい酒を造りたい」と話していた。