オール2年生で区間エントリーの稲生が、2001年以来の男子県高校駅伝を制した。最終7区。4連覇を目指して2位から猛追する伊賀白鳳に34秒差を付けてゴールテープを切った馬塲は「まだ実感がない」と23年ぶりの優勝に率直な気持ちをのぞかせた。
2位発進した1区で前年度覇者に50秒差をつけた。3000メートル障害でインターハイ7位などの実績がある高田のエース杉本が序盤からハイペースで飛ばす中で、1区の廣瀬が杉本にくらいつき、高田と1秒差の2位でタスキをつないで、2区の逆転につなげた。
多気中3年時に都道府県駅伝で県代表入り。今年10月の日本海駅伝でも1区7位と好走した。「1位でタスキをつなぎたかった」と悔しがる2年生エースに対して中武監督は「50秒は想定以上。杉本君としっかりマッチアップしてくれたおかげで後を楽にさせる展開ができた」とねぎらった。
昨年の県高校駅伝は4位で前年の13位からジャンプアップ。OBからはリオ五輪男子マラソン代表の石川末広選手ら日本代表も誕生している陸上部だが、近年長距離専門の指導者がおらず、東海高校駅伝出場からも遠ざかっていた。
古豪復活の転機は2年前の中武教諭の赴任。伊賀白鳳の前身・上野工OBで母校を率いて都大路でも入賞経験がある同教諭が陸上部顧問に加わって2年目の春、廣瀬ら中学からの長距離経験者が多く入部し、競い合いながら成長してきた。
久居中時代、目立った実績がなかった馬塲も「同じ学年の仲間から刺激をもらった」結果区間2位の好走。都大路も2年生主体で臨むこととなるが「今年優勝して都大路に出ることを大事にしてきた」と話す3区区間賞の尾宮。中武監督も「経験しに行くだけにはもったいない大会。県代表として自覚と責任のある走りを」と誓った。