承継希望4企業が事業紹介 日本公庫津支店がマッチングイベント

【オンラインで開催された「オープンネーム事業承継マッチングin三重」=津市内で】

【津】日本公庫津支店(浅沼靖司支店長)は8日夜、オンラインで「オープンネーム事業承継マッチングin三重」を開いた。承継希望企業が実名で登壇する県初のイベントで県内の4企業が事業内容を紹介。創業や事業拡大を検討する県内外の約140人が参加した。

同公庫では事業承継を迅速に進めようと令和4年から実名情報を開示し後継者を公募する取り組みを全国で展開している。

飲食店の大喜老(大紀町)▽料理店と旅館の大黒屋(大台町)▽家電小売店のおしゃべりはうす白山店(津市)▽おわせビジネスホテル(尾鷲市)―の4事業者が登壇。事業風景をまとめた映像を交えて内容を紹介し、参加者の質問に答えた。オンラインによる双方の交流会もあった。

平成5年創業の大喜老の西村登代表(71)は、最盛期には1日400―500食の弁当を作っていたが現在は1人で切り盛りし一日20―30個配達しているとして「厨房はそろっているのですぐ使える。味は伝えるのでいい方があれば引き継いでもらいたい」と述べた。

同公庫によると、全国の企業約337万社のうち廃業予定や後継者未定企業は77・5%の約261万社を占めるという。浅沼支店長は「三重県は後継者の不在率は全国に比べ低いが経営者の年齢は着実に上がっており承継は喫緊の課題。事業拡大や創業を考える方に引き受けていただければ地域経済の損失を防ぐことができる」と話した。