伊勢新聞

救急活動充実と強化 熊野市消防と3分署が訓練

【患者の意識を確認する隊員ら=熊野市有馬町の市消防本部で】

【熊野】熊野市有馬町の市消防本部は7日、同所で市消防署と3分署の交代勤務者による救急合同訓練を開いた。各隊が情報聴取や傷病者への対応を確認し、救急活動の充実と強化を図った。

同本部によると、参加者は市消防署と御浜、紀宝、紀和の3分署の計27人。紀南地域の救急処置基準を基に、森本真之助、大森教成の両医師が、検証医として隊員の救急活動を指導した。

訓練は情報聴取と熱中症、アナフィラキシーショックと多数傷病者の4部構成。情報聴取は、60代男性が自宅トイレで胸痛を訴えて119番したと想定し、隊員が病態や搬送先を判断した。

通報を受けた隊員は救急車で男性宅に到着。会話ができない男性に代わって関係者に状況などを聴取しながら、心電図や血圧測定を基に「迷走神経反射」と診断。搬送先に紀南病院を選んだ。

講評で大森医師は「迷走神経反射と判断する前に、心疾患など最悪なケースもしっかり考えてほしかった」、森本医師は「切れ味良く問診し、診断の精度を上げていくことが大事」と話した。

隊長役を務めた市消防署の山川拓真さん(27)は「役割分担しながらチームで動けた。輸液の措置の可否判断は改善しないといけない」と語った。