関宿継承、決意新たに 亀山市が重伝建選定40周年記念シンポ 三重

【関の山車のおはやしを披露する「関の山車保存会」の皆さん=亀山市東御幸町の市文化会館で】

【亀山】三重県の亀山市は2日、同市東御幸町の市文化会館で、「関宿重要伝統的建造物群保存地区選定40周年記念シンポジウム」を開催した。市民ら約500人が参加した。

【パネルディスカッションに参加した櫻井市長(右端)ら=亀山市東御幸町の市文化会館で】

関宿は、東海道五十三次47番目の宿場町。昭和59年に選定され、東海道の宿場町としては、唯一の保存地区。東の追分から西の追分まで約1・8キロの街道には、江戸時代の面影を残す木造家屋が軒を連ね、観光地として国内外から多くの観光客が訪れている。

櫻井義之市長はあいさつで「これまでの歩みを礎に、さらなる関宿の保存と活用に向け、将来を見据えた取り組みが求められる」とし、「関宿の歴史的風致を後世に継承していく決意を新たにする」と語った。

シンポジウムは、三重大学の菅原洋一名誉教授が「東海道関宿の町並み保存」と題して基調講演したほか、市立関小学校児童らが「残していきたい関宿」をテーマにしたワークショップの成果発表をし、関の山車保存会が関宿祇園夏祭りで関宿一帯を巡行する「関の山車」の祭りばやしを披露した。

さらに、「伝統ある町並みを未来へつなぐ」をテーマにしたパネル討論では、菅原名誉教授をコーディネーターに、櫻井市長や文化庁の梅津章子主任文化財調査官ら計4人がパネリストとして登壇。

梅津主任文化財調査官は「全国129カ所の重伝建地区の中でも、自治体と地域の人々が、現代の生活に合わせて、修景しながら守っているのが関宿」と述べた。

櫻井市長は「関宿住民らの力を結集し、自治体としてしっかり未来へつなげていく」と話した。