3日に「熊野古道一箱古本市」 講演やキッチンカー出店も 尾鷲・三重

【古本市への来場を呼びかける濵野さん=尾鷲市宮ノ上町のカフェ・スケールで】

【尾鷲】三重県尾鷲市向井の県立熊野古道センターで3日、1人1箱分の古本を持ち寄り販売する「熊野古道一箱古本市」が開かれる。10回目の節目を迎え、関係者は「全国的に書店が減る中、本との一期一会を大切にしてほしい」と話している。

同市宮ノ上町のカフェ・スケールらでつくる実行委員会が主催。節目の今回は、初出店の青土社と青弓社、文学通信(いずれも東京都)など、過去最多の28店が並ぶほか、青土社営業部、榎本周平さんによる出版業界を知る講演もある。

同古本市の原点は、カフェ・スケールで開いていた、読書好きがお薦めの本を紹介し合う「ブックトーク」。最初は数人の身内だけが集まる「内向きのイベント」だったが、次第に規模が大きくなり、店外に新たな交流の場を求めたという。

古本市は平成30年9月にチャリティー企画として始まり、春秋の年2回開催。会場の募金箱に集まった寄付金で、市立図書館に本を寄贈している。回を重ねるごとに来場者が増え、県内外から500人以上が訪れる人気イベントに成長した。

同店の店主、濵野恭行さん(45)は「活字離れを感じさせないくらい、毎回大きな反響がある」と手応えを語る。「広い空間でくつろぎながら一日中楽しめる。レジャーシートや椅子を用意し、好きな本を読んでいただけたら」と話している。

開催は午前10時―午後3時。キッチンカーや焼き菓子店、パン屋なども出店する。荒天中止。