伊勢新聞

2024年11月1日(金)

▼津市職員の“ワルぶり”については、いつぞやの特定自治会長問題を調査した市の報告書に一角をのぞかせていた

▼元自治会長は市政に対するいわゆるクレーマーで、今で言うカスタマーハラスメントの常連的存在だったが、その指摘には“一部”正当なものがあり、退けられなくなってつけ込まれるようになったというのである。具体的にどんなものが“一部”だったのかは記述されなかったし、解明もされなかったが、関与したとして大量の職員が処分されたあとに、それとは別の職員による津ボートCM収賄事件が発覚した

▼市職員側から要求する「常習的犯行の一環」「悪質」と検察側が断罪し、出張時の宿泊、飲食、飛行機代などの負担先も不明だった。“一部”は意外に奥深く、広範囲だったのかもしれない。水道の止水栓の取り替え工事で市職員が業者に工事を偽装させ、委託料をだまし取らせたとして、津市は職員二人と業者を詐欺の疑いで津署に被害届を出した

▼二人は修繕工事を業者がしたと見せかけて委託料をだまし取らせ、キックバックさせていたらしい。津ボートCM収賄事件では、落札するよう便宜を図った業者に金品などを要求した。特定自治会長事件では、同会長のために業者が架空の請求書を提出し、工事完成写真を添付していたが、職員の影がちらちらした。市は「だまされた」と被害者然とした。今回も、修繕した施工写真を職員が自身のスマホで撮影して業者に送信し、申請書類に添付させていた

▼市はまたも「だまされた」と釈明するらしい。