戦争犠牲者4722人を追悼 伊勢市が式典、遺族ら平和願う

【追悼式で献花をささげる参列者=伊勢市の市生涯学習センターいせトピアで】

【伊勢】伊勢市戦争犠牲者追悼式が31日、同市黒瀬町の市生涯学習センターいせトピアで開かれた。参列者らが、太平洋戦争などで犠牲となった4722人の冥福を祈り、恒久平和を願った。

遺族代表や市の関係者ら約200人が参列した。鈴木健一市長は式辞で「戦争の記憶の風化が進んでいる。今の平和は、戦火で亡くなった多くの犠牲の上にあることを心に刻まなければならない。この平和を次世代につなぐことが使命」と述べた。

続いて遺族を代表し、フィリピンで父を亡くした市連合遺族会の中村護会長(83)が「世界で争いが絶えず、罪のない命が失われていることが残念でならない。戦後80年を来年に控え、遺族の役割はさらに重要になる。戦争の苦しさを伝え、平和な明るい世界を次世代に引き継ぐことを誓う」とあいさつした。

参列者らは黙とうし、献花台に花を置いて手を合わせ、犠牲者らに祈りをささげた。