「政治とカネ」を巡る問題の逆風を受けた自民は、県内の小選挙区に立候補した前職の4人が前回比で計約9万6千票を減らした。一方、立民候補の4人も、前回比で計約1万4千票の減少。一つの選挙区に複数の野党が候補者を擁立したことなどが影響したとみられる。
1区
田村氏の得票は前回比で約1万5千の減少。津と松阪の両市で得票を減らした。前回は次点に約5万8千票差で勝利したが、今回は約4万4千票差に縮んだ。一方、福森氏は前回の立民候補とほぼ同数を得票。松阪市内の得票は田村氏の約半数にとどまったが、津市内では約6・5割に迫った。
2区
前回は次点に990票差で勝利した川崎氏は今回、下野氏に約5千票差で敗北。前回比で約2万4千票を減らした。地盤の伊賀地域では下野氏を上回りつつ、大票田の鈴鹿市で約1万8千票差を付けられた。下野氏も前回の立民候補に比べて約1万8千票の減少。山本、森口両氏の得票は全体の約2割を占めた。
3区
岡田氏は前回比で約7千票を減らしたが、全8市町で石原、伊藤両氏に勝利。菰野町を除く7市町で石原氏の2倍以上を得た。石原氏は前回比で約2万5千票の減少。全市町で減らした。地元の菰野町でも、前回は約300票だった岡田氏との差が約3千票に拡大。前回は56・1%だった惜敗率は41%に低下した。
4区
鈴木氏は選挙区内の15市町全てで対抗馬に勝利しつつ、前回比では約3万2千票を減らした。前回は次点の約3倍を得票していたが、今回は1・8倍に。得票率は72・4%から60・2%に低下した。青沼氏の得票は東紀州などで鈴木氏の半数程度にとどまったが、大票田の伊勢市では鈴木氏の約七割に迫った。
比例代表
最も多く得票したのは立民で、約21万票。前回比で約8千票の増加となった。前回は県内で最多だった自民は約8万9千票減の約20万5千票。前回比で大幅に減少し、立民を下回った。公明党も約9万6千票と、約1万6千票の減少。国民民主党は前回の約2・5倍に当たる約7万9千票を獲得した。