衆院選・選挙戦を総括 県内政党代表が会見

【上段右から田村会長、今井幹事長、三谷幹事長、下段右から加納代表代行、田中幹事長、大嶽委員長】

衆院選の投開票から一夜明けた28日、県内各政党の代表らが県庁で記者会見し、選挙戦を総括した。解散前から1議席を減らした自民は、裏金問題の影響で厳しい戦いを強いられたと説明。非公認候補にも2千万円を支給した党執行部への不満も漏れた。一方、1議席を積み増した野党は「来年の参院選に向けた大きな一歩」と期待感を示し、参院選三重選挙区(改選数1)の候補者擁立を急ぐ考えを示した。

自民党県連の田村憲久会長

厳しかった。1区で相手候補が比例復活したのは私の力不足。2区を僅差で落としたのも反省しなければならない。どの選挙区も政治とカネの問題が影響した。2千万円の話は特に接戦の選挙区で効いた。なぜ誤解を招くときに配る判断をしたのか。党執行部には現場で戦う候補者の気持ちを考えてもらいたい。自公が過半数ではなくなった。政権が維持できなければ仕事ができない。今後のことを真剣に考える必要がある。今回の問題を党として解決しなければ、県内の参院選にも影響しかねない。

公明党県本部の今井智広幹事長

全体的に厳しい結果だった。比例東海ブロックでは目標に掲げた3議席獲得には至らず2議席にとどまった。県内では比例で約9万5千票を獲得したが、前回衆院選の約11万2千票に比べると減った。ただ、南部を中心に増えた市町もある。小選挙区では全ての自民候補に推薦を出して一緒に戦ったが、3区では議席を失った。自公連立政権に厳しい審判が下された。この結果を真摯(しんし)に受け止めなければならない。しっかりと分析し、今後につなげる。地域の期待に応えることで党勢を広げたい。

立憲民主党県連の三谷哲央幹事長

2区では前回の雪辱を果たした。厚い壁だったが、1区も比例復活で当選できた。裏金問題への批判で一定の票をいただいた。来年の参院選に向けて大きな一歩を踏み出すことができた。ただ、まだまだ基本的な部分が弱い。連合との協力は進んできたが、連合頼みの選挙にも限界がある。党としての力を培いたい。参院選に向けて候補者調整を加速化させる。立民と国民で力を合わせたい。国民には参院候補を出してもらえるなら、という話もしている。いよいよ大詰めの議論になってくる。

国民民主党県連の加納康樹代表代行

ここまでの票を頂けるとは思っていなかった。うれしい誤算だが、比例で候補者が足りなくなった。街頭などでは、有権者の反応が良かった。「そよ風」が「追い風」になった感じがしていた。他党のように裏金問題への批判ばかりではなく、政策をしっかり訴えたことが結果につながったと思う。来夏の参院選では、まだ三重選挙区の候補者が決まっていない。もう一刻の猶予もない。立民と話をしたい。うちが候補者を出すのは難しいが、今回の流れを生かすためにも早いうちにまとめる。

日本維新の会県総支部の田中覚幹事長

大変残念な結果。2区と3区の両方で候補者の得票は想定よりも少なかった。せめて県議を出せるぐらい得票できれば良かった。古い政治を壊すことをスローガンに戦ったが、理解いただく時間がなかった。古い政治を壊した後の具体的な姿を十分に説明できなかったことも敗因。大阪では府議や市議ら地方議員が多いが、県内には1人だけ。これで戦うのは随分と無理がある。今後は地方議員を生み育てていく。参院選の三重選挙区に候補者を立るのは難しいが、比例では擁立したい。

共産党県委員会の大嶽隆司委員長

しんぶん赤旗による裏金問題や2千万円問題のスクープが自公を過半数割れに追い込んだ。県内の自民候補は前回比で約10万3千票を減らした。裏金問題の影響に手応えがあった。ただ、共産は比例東海ブロックで目標の2議席に届かなかった。自民への批判票が共産に来ていないと、肌身で感じていた。次期参院選に向けた野党共闘が大事だが、選挙に勝つためだけの候補者一本化では野合と言われても仕方がない。政策的な一致が必要。年内には参院選三重選挙区の候補者を擁立したい。