伊勢新聞

信頼される正捕手に ドラフト中日4位の石伊、恩返しの一歩目 三重

【中日から4位指名を受けた日本生命・石伊(日本生命提供)】

【尾鷲】三重県尾鷲市出身の日本生命・石伊雄太捕手(24)は中日から4位指名を受けた。近大工学部時代には指名漏れを経験した苦労人。正捕手を目指し「誰よりも信頼されたい」と意気込んだ。

石伊捕手は昨年に日本生命に入社すると、遠投115メートル、二塁送球タイム1・8秒台の強肩を武器に、1年目から正捕手に定着。2年連続の都市対抗、昨年の日本選手権の出場に貢献した。

大学時代から課題とされた打撃力は、同社OBの特別コーチ・福留孝介氏(47)の指導を受けて開花。打席での考え方の指針が見え、楽になったという。今季は打率3割1分の好成績を残す。

地元の「尾鷲少年野球団」では、1学年上に阪神・湯浅京己投手、1学年下に西武・上田大河投手がいた。「人口が減る小さな町で立て続けに3人。尾鷲にとってプラスになれば」と話す。

年末には湯浅投手のキャッチボールの相手も務める。WBC公式球の慣らしにも一役買った。湯浅投手との対戦も熱望し「真面目な性格なので、直球勝負はしてこないかな」と目を細めた。

24日のドラフト会議を前に「まずは指名されることが支えてくれた人への恩返しになる」とプロ入りを誓っていた。念願の舞台で信頼される正捕手に向け「恩返し」の一歩目を踏み出した。

3人目プロ輩出に感激

加藤千速市長の話 近年では、湯浅投手、上田投手に続き、3人目のプロ野球選手が、人口の少ない尾鷲より輩出されており、私自身、感激に浸っているところです。これから新しい一歩を踏み出す石伊選手を応援し、さらなる飛躍と活躍を心より祈念いたします。

 

湯浅投手の右隣に?
2年前から、市役所の壁面には湯浅投手を応援する横断幕が掲げられている。右隣にスペースがあることを伝えると「隣に並んだらうれしいですね」と話した。

京己との対戦見たい
湯浅投手の父・栄一さんは自宅でテレビ中継を見守った。同一リーグの中日に決まると「対戦を現地で見たい。京己はしっかりと打ち取ってほしい」と話した。

推しのネギラーメン
幼少期から家族で通う同市上野町の「ラーメンハウス」では、決まってネギラーメン(税込み800円)を頼む。店主らは中日ファンの来店を呼びかけている。

【日本生命・石伊が愛するネギラーメン=尾鷲市上野町のラーメンハウスで】