【津】大正3年―昭和19年に地域の足として利用された軽便鉄道の線路跡を巡るイベントが25日、三重県の津市内であり、市内外の男女47人が安濃鉄道片田線の安東駅跡から片田駅跡までの約6・5キロを歩いた。
同鉄道は津市八町から芸濃町林までの本線14駅14・6キロと、安東から分岐し片田までの片田線5駅5・1キロで営業。
同イベントはかつてあった軽便鉄道を多くの人に知ってもらおうと市内ガイド団体でつくる津観光ガイドネットが全線跡を4回に分けたどる内容でこの日が最終回。
一行は4班に分かれ、安濃津ガイド会会員らから駅や線路があったとされる場所の説明を受けながら歩いた。ガイドの深見和正さん(63)は「片田線は大正6年にできて昭和2年に廃止され10年しか走っていなかった」と説明。安濃川支流の穴倉川に架かる地下(じげ)橋では「線路跡の鉄橋を橋にしており橋脚の基礎の痕跡がある」と川底を示した。
「安濃ガイド会草陰」から参加した前田笑子さんは「歩いてみると知らないことが発見できる。田んぼの中を線路が通り、村から村をつないでいたことが分かった」と感想を話した。