2024年10月26日(土)

▼投票日の直前になって思うことがある。それは、選挙報道に「公平・公正」「不偏不党」が必要なのかということだ。例えばテレビは放送法の第一条に「放送の不偏不党」とあるため、政党および候補者に同じ時間を与えるような「量的公平」維持に努めてきた

▼思い出すのは、かつて自民党がNHKや民法各局に対し、番組内容、出演者などに関して、「公平中立ならびに公正」を求める要望書を送ったことだ。また、高市早苗総務相(当時)が公平ではないと判断した場合、放送法違反を理由に電波停止を命じる可能性があると発言したことだ

▼憲法は言論の自由を保障している。よって、番組、記事の判断は各メディアが行う以上、中立であることは原理的に難しい。米国ではメディアの中立性はとうに放棄されている。テレビの場合、左派のCNNと右派のフォックスでは全く違う。これは視聴者の要望でもあり、中立報道をするとたちまち視聴率が落ちる

▼ましていまやネット全盛時代でテレビ、新聞の力は衰えている。いずれ日本も全ての報道にバイアスがかかる。判断は個人に委ねられ、選挙は大きく変わるだろう。