伊勢新聞

シロミトリ豆で和菓子 鈴鹿大茶道部、大学祭で初披露 三重

【錦玉糖の中に「すず豆」の甘納豆を閉じ込めた創作和菓子=鈴鹿市郡山町の鈴鹿大学で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市郡山町の鈴鹿大学さくら茶道部はこのほど、同市周辺の特産品「シロミトリ豆」を使った創作和菓子を考案。26、27日の大学祭で、同部による茶道体験のお茶請けとして初披露する。

シロミトリ豆は北アフリカ原産でササゲ属の一種。大豆に似た淡色で、大きさは小豆に近い。全国的にも珍しく、市場にはほぼ流通していない。流通経路は不明だが、鈴鹿市と四日市市の一部で栽培し、法事の煮豆などに活用されてきたという。

約1年前、同部を指導する裏千家の増井比路子(宗広)さん(73)=同市東磯山3丁目=が「地域の特産品としてシロミトリ豆がもっと普及しても良いのではないか」と考え、部員らに校内での栽培と活用を提案。

「ミトリ豆」の名称が「看取り」につながり、縁起が悪いと感じる人もいるのではないかという声を受け、部内では愛称を「すず豆」とし、栽培から和菓子作りまでを手がける「すず豆プロジェクト」を発足。

趣味で栽培している知人にもらった約200グラムの豆を5月にまき、校内の畑や部員の自宅で育て、7月下旬に約1キロを収穫。収穫した豆は長期保存ができる甘納豆にした。

お茶請け用の和菓子は、増井さんと部員5人が創作。寒天と砂糖で作った錦玉糖の中に、すず豆の甘納豆を閉じ込めた干菓子を完成させた。

提供用には独自のレシピを元に、同市江島本町の和菓子店田中観月堂が製造した商品を使う。

当日は生砂糖で作ったイチョウの干菓子と一緒に提供し、秋の風情を醸し出す。茶道体験は一人300円。

台湾出身で国際地域学部2年の洪信怡部長(20)は「鈴鹿でも知らない人が多いので、この機会に多くの人に知ってもらえれば。中国語や台湾語でも発信していきたい」と意気込みを語った。

また、観光や地域づくりを専門とする同学部の冨本真理子教授もプロジェクトに参加し、「地域特有の資源ということで興味があった。今後、『すず豆』という名前も広めていければ」と話した。