偶然から生まれる想像の世界 津で作家緒方さん個展 三重

【作品を紹介する緒方さん=津市中央の三重画廊で】

【津】三重県津市広明町の作家、緒方直青さん(78)の個展「無数のワタシ」が、津市中央の三重画廊で開かれている。偶然から生まれる想像の世界を描いた絵画43点を展示販売している。27日まで。

緒方さんは津市出身で愛知県立芸大デザイン科卒業。児童書の挿絵などを手掛け、30年前に故郷に戻った。同所では2年に一度個展を開いている。

緒方さんは鉛筆の場合は漠然とした線などから、絵の具の場合は垂らしたりにじませたりしてできた形からイメージを膨らませるという。

生成りの水彩紙に鉛筆で緻密に描いた「無数のワタシ」は、網目のように枝を張る木々と水のある世界にさまざまな空想の生き物を見ることができる。

緒方さんは戦いや犯罪の絶えない世を憂い「美しい星をこれ以上傷つけないよう皆でシェアし合い、自分の場所で生きていこう」と力を込めた。