「神都画人」11人を紹介 伊勢・古市参宮街道資料館で日本画展 三重

【神都画人の明治―昭和期の作品が並ぶ会場=伊勢市の伊勢古市参宮街道資料館で】

【伊勢】伊勢市中之町の伊勢古市参宮街道資料館で、かつて伊勢を拠点に活動した日本画家「神都画人」を紹介する企画展が開かれている。明治―昭和期の伊勢の画家11人の作品33点を展示した。11月4日まで。

古くから伊勢神宮の参宮客でにぎわった伊勢には、全国から多様な文化が伝わった。日本画分野では江戸期以降、多彩な画家たちが活躍し「神都画人」と称された。系譜によると約140人が絵筆を振るったといい、今春同館が、神都画人らの作品をまとめた図録を刊行した。

企画展は、図録刊行を記念した後期展。江戸―明治期の作品を紹介した前期展に続き、後期展では、明治―昭和初期の作品を展示した。

猿田彦神社の宮司の娘で、美人画などを手掛け京都画壇で活躍した伊藤小坡(1877―1968年)、二見の漁師の家に生まれ、写実的なタイの絵などで知られる中村左洲(1873―1953年)らの作品が並ぶ。

世古富保館長(76)は「日本画はなじみがないと思われるが、明治以降、現代の洋画のような作風に変わり、親しみやすい。伊勢の画家の作品に触れ、日本画を身近に感じてほしい」と話していた。