伊勢新聞

三重刑務所に図書寄贈 県教誨事業協力会、一般からの募集も開始

【井上所長(左)に「中学生までに読んでおきたい日本文学」全10巻を寄贈する小林会長=津市修成町の三重刑務所で】

【津】受刑者に教えを説く教誨(きょうかい)師を支援する県教誨事業協力会(会長・小林千三伊勢新聞社社長、会員23人)が、三重刑務所(津市修成町、井上済所長)に寄贈する図書の募集を始めた。取り組み第1弾として23日、「中学生までに読んでおきたい日本文学」全10巻(松田哲夫編、あすなろ書房)を寄贈した。

三重刑務所によると、同施設には約1万5千冊の書籍があり、受刑者ら約630人が更生の一助や学び直しのきっかけとして利用している。多くは古く劣化が進んでいるが予算は縮小傾向で新本の購入は限られている。

協力会では本年度、不要になった中古図書を一般から募って同施設に寄贈する事業に着手。この日は伊勢新聞社が同会に寄せた新本を届けた。

小林会長は「全てルビがついて時代背景の解説もあり、非常に読みやすい内容。役立てていただきたい」とあいさつ。井上所長は「分かりやすい本を頂き感謝申し上げる。本は著者や登場人物の世界観を疑似体験できる。受刑者には本を読んで再犯防止の意識を持ってほしい」と謝辞した。

協力会では令和7年2月28日まで、新本または中古書籍を回収する。小説▽エッセイ▽実用書―などのジャンルで、暴力団や違法薬物などに関連する、矯正処遇に支障を生じるものは不可。伊勢新聞社への持ち込みまたは郵送(送料は自己負担)で受け付け、津市内企業や団体を対象に訪問回収を行う。

問い合わせは同協力会事務局=電話059(224)0181(伊勢新聞社社長室、平日午前9時―午後5時)=へ。