2024年10月24日(木)

▼20日午後8時ごろ、山口県光市の路上で少年3人が集まっているのを不審に思った同県警のパトロール中の警察官が職務質問したところ、住宅に強盗に入るための工具などを持っていて、強盗予備の疑いで逮捕された

▼3人は高校生2人に中学生1人。茨城県や千葉県など関東でSNS(交流サイト)による「闇バイト」募集で集められ、同県外で集合し公共交通機関を利用して光市まで来たらしい。3人はそれまで面識はなかったという。個人情報が掌握され、家族へ危害を加えるなど脅されて抜けられずに強盗の実行役になるというのが最近の「匿名・流動型犯罪」の特徴だが、割り切りのよさに驚かされる

▼思い立ってスマホなどで問い合わせればすぐ反応があり、自分が選択している感覚になるSNS世代の自縄自縛といえようか。自分がまいた種は自分で解決できると思い込んでいるのだろう。工具を用意し、住宅に乱入し、見ず知らずの住人を暴行、拘束して金品を奪うところまで突っ走るというのが恐ろしい

▼三重県警が県内の高校生約3千人に実施した「闇バイト」に関するアンケートでは、SNSの「高額報酬アルバイト」の募集に約50人に1人(2割)が「問い合わせる」「申し込む」と答える時代である。「うさんくさい」と感じて応募する層も少なくないに違いない

▼県警はこの結果に危機感を持ち、対策を強化する方針だが、実行役は中学生へと広がっている。実態把握は万全か。犯罪の進化に、当局の取り締まりがいつも後追いに見えるのがもどかしい。