災害への備えと対処学ぶ 四日市・桜中でPTA家庭教育講座 三重

【被災地の映像を見る生徒ら=四日市市桜町の桜中学校で】

【四日市】三重県四日市市桜町の桜中学校(澤井広美校長)は21日、四日市大学副学長で環境情報学部の鬼頭浩文教授(62)を招いて「PTA家庭教育講座~防災について」を開いた。全校生徒315人と保護者、地域住民ら約40人が災害への備えと対処を学んだ。

【講演する鬼頭教授=四日市市桜町の桜中学校で】

鬼頭教授は「避難から復興までの道のり~無事に生き延びて復興に貢献せよ」と題して講演。学生らと災害ボランティアとして赴いた能登半島地震や平成23年の東日本大震災による地震と津波による被害の生々しい映像を交えながら、「いつ起こるか分からない災害について常に心構えをしてほしい」と生徒らに呼び掛けた。

被災地での体験を通して、「断水、停電、ガスも止まって、避難所生活で一番困ることはトイレの問題。仮設トイレが設置されるまで約1週間の家族の人数分の簡易トイレ備蓄が必要」だと話した。講演後、保護者らと「地域防災」をテーマに座談会があった。

PTA教養部の北村美波部長(40)は「復興にはすごく時間がかかること、防災用品の備蓄の重要性を再確認できた」と話していた。

鬼頭教授は、平成23年に学生と四日市東日本大震災支援の会を創設し、被災地での多様な支援をコーディネートしてきた。また、行政と連携して県内の地域防災に中高大生が貢献する仕組みを構築。同28年に防災功労者防災担当大臣表彰を受けた。県内を中心に全国で防災について講演を続けている。