▼12日間の衆院選は20日、初の日曜日で、同時にラストサンデー。各候補者とも支持拡大に奔走した。中でも、与野党の4人が勢ぞろいした三重2区は県内屈指の激戦区で、選挙カーによる街頭からや、電話での支持呼びかけが激しさを増している。「ただお願いしますだけで政策を訴えるわけでもなく、時間を取られるだけで(電話は)すぐ切っちゃいます」と2区の知人は話していた
▼与党への逆風は、日を追って風力を増しているようだ。選挙で有権者が期待したのは裏金や旧統一教会問題など、腐敗や癒着の一掃と、経済施策などによる暮らしの改善だが、野党側が腐敗や癒着を争点に攻勢を強める中で、与党側からの暮らし改善に向けた具体策が届かず、新政権への“ご祝儀相場”も日ごと色あせてくるようだ
▼2区の選挙サンデーも、序盤とは打って変わって野党三党の候補者が裏金問題に的を絞ったばかりでなく、唯一の与党、自民党候補も裏金批判に声を上げた。共同通信社が19、20両日実施した全国電話世論調査(第2回トレンド調査)が、背景を物語る
▼12、13両日の第1回に比べ、比例代表の投票先は自民が3・8ポイント減で、立憲民主は1・7ポイント増。小選挙区先は野党系候補が33・2%、与党系候補が24・6%で、与野党逆転した。先の2区での電話攻勢は与党候補が前回選同様圧倒し、好感をもって受け取られていたのだから様変わりである
▼与野党が逆転したといっても野党は乱立し、与党は絞り込んでいる。予断を許さぬまま残り7日間へ突入する。