▼AI(人工知能)の開発競争が激化している。「生成AI」で一歩リードするオープンAIは、このほど100億㌦を超える資金調達を、日本のソフトバンクなどから行った。目指すのは、スーパーインテリジェンス。いわゆる「AGI」(汎用人工知能)、そして「ASI」(超人工知能)だ。このまま行けば、シンギュラリティは早まるだろう
▼そこで現実味を帯びてきたのが、AIの暴走を人間がコントロールできなくなる未来だ。政治、経済、金融、インフラ、通信、軍事などをAIが支配し、人間は機械の奴隷となり、いつか絶滅させられてしまうかもしれない
▼映画『マトリックス』では、この世界はAIが人間を閉じ込めるためにつくった仮想現実だった。本当の世界ではAIと人類の熾烈(しれつ)な戦いが続いていた。また、『チャイルド・プレイ』では、AIが殺人人形をつくり出した。昨年オープンAIを退社した二人の科学者は人類の絶滅を警告した。ただ、グーグルの元CEOのE・シュミットは「AIが暴走したら電源を切ればいい」と言う。しかし、電力サプライの全てをAIに握られたらどうしたらいいのだろうか?