贈賄側に1852万円貸し付け 鈴鹿の社福法人贈収賄、757万円は未返済か 三重

【送検される迫丸容疑者=鈴鹿署で】

三重県鈴鹿市の社会福祉法人「かがやき福祉会」の役員人事を巡る贈収賄事件で、事件後に理事長に就いた贈賄側の無職迫丸卓哉容疑者(44)=東京都中央区=が、同法人から約1800万円の貸し付けを受けていたことが17日、関係者への取材で分かった。一部は返済が確認されていないという。

事件では令和4年2月中旬、迫丸容疑者と不動産管理業金田充史容疑者(52)=和歌山県紀の川市=が当時の理事長、四宮慶太郎容疑者(58)=神戸市中央区、社会福祉法違反(収賄)容疑で逮捕=らに、迫丸容疑者を理事長にするよう求め、現金3500万円を渡したとして、同法違反(贈賄)容疑で逮捕されていた。

関係者によると、法人は令和4年度、当時理事長だった迫丸容疑者に1852万円を貸し付けた。同年度中に1095万円が返済されたが、残りの757万円は返済されていないという。法人は今年3月、津地裁から破産手続きの開始決定を受けている。

県警は17日、迫丸容疑者ら3人と同法違反(収賄)容疑で逮捕されていた会社員吉岡百々代容疑者(61)=神戸市東灘区=を津地検に送検した。県警は法人の資金が外部に流出した可能性があるとみて、資金の流れを調べている。

四宮容疑者が令和3年から会長を務めていた自動車販売会社「ネッツトヨタ神戸」は16日、「このような事態が生じたことは極めて遺憾。心よりおわび申し上げる。本件は個人事業上の行為で、捜査には全面的に協力する」とコメントした。