集落孤立を想定、救助訓練 尾鷲港で警察と海保が初の合同

【担架に乗せた救出者を船へ運ぶ尾鷲署員ら=尾鷲港で】

【尾鷲】能登半島地震の教訓を生かそうと、三重県警尾鷲署と尾鷲海上保安部の合同訓練が17日、尾鷲市の尾鷲港で開かれ、16人(各8人)が緊急時の連携を確認した。両者の合同訓練は初めて。

同署によると、管内は道路が寸断された能登半島と地理条件が酷似している。実際、平成16年の台風21号では、紀北町引本地区で、道路が土砂で寸断されたという。

訓練は、倒木などで孤立集落が発生し、海路から救助に向かうとの想定で実施。署員らは同海保の巡視船「みえかぜ」を使い、迅速な乗下船や避難誘導の流れ、救出と救助の方法を確認した。

救助の要請を受けた署員4人が港に接岸した巡視船から下船。協力してチェーンソー2台とのこぎり、バスケットストレッチャーと簡易レッカー4台を陸に降ろした。

道路をふさぐ倒木2本をチェーンソーで切断して被災者役を発見。安全な場所へ誘導し、海保に引き渡した。車内に取り残されたけが人役のマネキンは、慎重に担架に乗せて外へ運び出した。

伊藤誠司署長は「道路が寸断されると陸の孤島になり、救助の応援が遅れる可能性がある。住民らのためにいち早く救助ができるよう、連携を強化したい」と話した。