伊勢新聞

2024年10月17日(木)

▼石破茂首相が所信表明演説で掲げた地方創生について、一見勝之知事は「非常に理解できる」と評価しつつ「地方を大事にする気持ちを具体的な行動に示してもらいたい」。口先だけではなく、という意味か。なかなかに辛らつ

▼石破首相が地方創生担当相だったころ、業界の集まりで講演を聞いたことがある。なるほどとうなずくことが多かった記憶があるだけで、中身はさっぱり思い出せないのはわが教養にとって遺憾だ。同時期、副総理・財務相だった麻生太郎氏の地元福岡県の政界地図を露骨に反映させた地方競争ビジョンの方が記憶に残っている

▼県議会代表質問で一見知事に再選出馬を尋ねた服部富男議員は「(表明すれば本紙の)1面を飾れると思った」。知事が明言を避けたので「(代表質問は)2面になりそうだ」。実際は社会面となったのは記者席子と同様遺憾だが、衆院選公示と代表質問が重なり、県議各位も大忙しだったという

▼議会日程は、国政選挙日程との調整をつけて組むのが恒例。公示前に開会だけ済ませ、ずっと休会にして投票日以降に代表・一般質問をしたこともあるが、今回の衆院選は内閣発足から26日後という戦後最短。間に合わなかったか

▼衆院選候補の出陣式に出て急いで議場に向かう県議もいた。もう1人の代表質問の藤田宜三県議は「地方創生の具体的な内容が明らかにされない中で、衆院が解散されたことは残念」。石破首相の発言のぶれへの懸念は同県議から知事にも及び、本紙の面割りにまで影響したということかもしれない。