伊勢新聞

月給とボーナス引き上げを勧告 三重県人事委が3年連続

【一見知事(手前)に勧告書を手渡す中村委員長=県庁で】

三重県人事委員会は16日、職員の月給と期末・勤勉手当(ボーナス)を引き上げるよう、一見勝之知事に勧告した。月給とボーナスの引き上げ勧告は3年連続。初任給や若年層の月給は大幅な引き上げを求めた。

人事委によると、月給は平均で2・53%(9597円)の引き上げ、ボーナスは年間で0・1月分の引き上げを勧告。月給は4月分にさかのぼって適用し、ボーナスは12月分からの引き上げを求めた。

初任給は大卒程度で11・2%(2万3千円)増の22万8300円、高卒程度で12・3%(2万1400円)増の19万5200円とするよう求めた。初任給で2万円を超える引き上げの勧告は平成以降で初となる。

対象は警察官や教職員などを含む2万622人。勧告が適用されれば、月給とボーナスを合わせて1人あたり行政職で年間平均20万2千円の引き上げ。人件費としては約50億8千万円の負担増となる。

民間への調査結果を踏まえた勧告。従業員50人以上の県内事業所から抽出した158事業所の月給は県職員より2・54%(9636円)高く、ボーナスは県職員より0・08月分多かったという。

この日、中村佳子委員長や委員らが県庁を訪れ、一見知事と稲垣昭義県議会議長に勧告書を手渡した。中村委員長は「勧告制度の意義や役割を深く理解し、勧告通りに実施するよう希望する」と述べた。

また、淺尾光弘委員は県企業庁発注工事を巡る贈収賄事件で「信頼が著しく失墜した」とし、信頼回復に向けた取り組みを要請。事務処理ミスも「残念ながら毎年起きている」とし、再発防止を求めた。

一見知事は「公務員に憧れる人は多いが、給与は同学歴に比べて高くない。民間は人手不足で景気が良くなると公務を目指す人が少なくなるが、一定水準の能力が必要」と述べ、人材確保に努める考えを示した。