衆院選三重2024 候補者の横顔【1区】

衆院選には県内の小選挙区に与野党の13人が立候補し、激しい選挙戦を繰り広げている。候補者の人柄や日ごろの過ごし方などを選挙区ごとに紹介する。(届け出順)

 

出口洋介候補、子育ての厳しさ体感

選挙への立候補は初めて。共産党や民青の職員として約11年間、安保法制の廃止などを訴えてきた。「党員の先頭に立って政策を届けたい」との思いで出馬を決めた。

会社員時代は長時間労働やパワハラに悩んだ。ノルマが達成できないと「給料泥棒だ」と言われた。党員だった兄に「それは政治の問題だ」と諭され、入党を決めた。

看護師の妻と長男(2つ)の三人暮らし。子育て世代の経済的負担の大きさを身をもって体感している。長所は「人の意見を否定しないこと」。家庭でも心掛ける。

趣味はコーヒー。豆をひいて入れるこだわり。1月ほど前にサーバーを持ったまま転倒し、手に15針を縫う大けがをした。「妻の苦労を増やした」と反省する。

中高ではバスケットボール部に所属していた。好きな漫画は「スラムダンク」。好きな言葉は、同作に登場する安西先生の「諦めたらそこで試合終了ですよ」

 

田村憲久候補、健康管理に努め自炊

平成8年から9回連続で当選。社会保障や厚労行政に明るく、二度にわたって厚労相を務めた。今後は「集大成として、円熟味のある政治家になりたい」と語る。

先の総裁選では林芳正氏の代理で討論番組に出演し、ネット上で「ついに総理か」との投稿が。「三重県民は基本、前に出ない。私もそんな傾向かも」と控え目に語る。

人口減に強い危機感を抱き、生産性を高める技術の普及を目指す。政治とカネを巡る問題の背景には「党と派閥の権力二重構造があった」とし、党の改革を強く訴える。

多忙さを極める中で健康管理に努める。野菜は1日350グラムを目標に自炊する。得意料理は野菜たっぷりのナポリタンやなすの煮浸しなど。「ネットが料理の先生」

座右の銘は「我以外皆我師也」。「自然や動物にも、学べるところがある」。長所は嫌いな人を作らないこと。好きな作家は司馬遼太郎。愛読書は「項羽と劉邦」

 

福森和歌子候補、仕事の経験を政治に

伊賀市出身。キャリアウーマンに憧れ、大学卒業後は大手広告会社の電通に就職した。販売促進のマーケティングなどを担当。新聞広告の営業にも携わった。

他方、障害がある父と伯父が就職や就学に苦労する姿を幼い頃から見てきた。退職後は社会福祉士の資格を取得。「福祉を充実させたい」と、政治家を志した。

電通時代は仕事から充実感を得つつ、女性の配属先が限られるなどの壁も感じた。ジェンダー平等を強く訴えるのは、その経験から。選択的夫婦別姓を切望する。

性格は「おおざっぱ」でありつつ「困っている人を助けたい」との信条も。「多くの声を聞いて考える」というマーケティングの経験は政治に生かせると自負する。

小説やエッセイを中心に年間約150冊を読破する。好きな本は灰谷健次郎の「兎の眼」。「桜木紫乃の新刊は必ず読む」。座右の銘は「義を見てせざるは勇無きなり」