「北畠氏」の功績紹介 松阪で企画展、伊勢国司230年の足跡 三重

【「多気城下図」を説明する米倉館長=松阪市殿町の市立歴史民俗資料館で】

【松阪】三重県の松阪市はこのほど、同市殿町の歴史民俗資料館で企画展「伊勢国司『北畠氏』230年の足跡」を始めた。会期は12月1日まで。入館料は一般150円、6―18歳70円。

北畠氏は南北朝時代に後醍醐天皇の側近として南朝を支え、戦国時代にかけて伊勢国司として約230年間、9代にわたり一志郡から度会郡まで治めた。また木造氏や大河内氏、坂内氏、岩内氏などが分かれ出た。

同展は初代国司北畠顕能の父親房、兄顕家を含め九代具房まで歴代当主をたどる。拠点となった津市美杉町の多気(たげ)城(霧山城)、松阪市の阿坂城(白米城)、大河内城、坂内城を紹介。同市指定有形文化財「北畠氏奉行人教兼・房兼禁制」など資料27点とパネル10点でひもとく。

「多気城下図」は家臣約1000人が住む多気の街並みを詳細に描き、寺院や家臣の名前の他、八百屋町、魚屋町、呉服町などの表記もある。

松阪市大阿坂町の浄眼寺を創建した5代目政郷の肖像画「無外逸方寿像」が同寺に残り、複製を展示している。

米倉茂館長は「松阪に蒲生氏郷が入る前の北畠時代の功績を見直す。歴代の業績と個性を知ってほしい」と来館を呼びかけている。