伊勢新聞

知事、再選出馬の言及せず 次期知事選まで1年 三重県議会代表質問

【右から藤田宜三議員、服部富男議員】

三重県議会は15日、藤田宜三(新政みえ、5期、鈴鹿市選出)、服部富男(自民党、6期、三重郡)の両議員が代表質問した。服部議員は任期満了(来年9月12日)まで1年を切った一見勝之知事に次期知事選への態度を尋ねた。一見知事は「さらに県を発展させなければならない」「課題は山積している」と述べたが、次期知事選には言及しなかった。

新総理の地方創生どう思う

 藤田 宜三議員(新政みえ)

石破茂首相が所信表明演説で掲げた地方創生への感想を尋ねた。一見知事は「非常に理解できる」と評価しつつ「地方を大事にする気持ちを具体的な行動に示してもらいたい」と語った。

【地方創生】

藤田議員 石破新総理が訴える地方創生の具体的な内容が国民に明らかにされない中で、衆院が解散されたことは残念でならない。石破総理が所信表明演説で述べた「地方を守る」に対する感想と知事の思いは。

知事 地方創生に関する交付金倍増や地方経済・生活環境創生本部の設置など、石破総理がおっしゃることは非常に理解できる。地方は疲弊しきっている。地方を大事にする石破総理の気持ちを具体的な行動に示してもらいたい。

【子ども医療費】

藤田議員 子ども医療費を窓口無料にした市町への補助金減額措置は、いわゆるペナルティー。今回の行政展開方針案には、市町への補助について「対象年齢拡大の方向で検討する」とあるが、前向きに捉えて良いか。

知事 本来は全国一律で窓口無料にしなければならない。国には意見しているが、なかなか動かない。県は昨年度と本年度に窓口無料化の対象を拡大した。県財政に限界はあるが、来年度当初予算の編成でも前向きに検討したい。

熊野古道の「PRが弱い」

 服部 富男議員(自民党)

世界遺産登録20周年を迎えた熊野古道の「PRが弱い」とし、地域の祭りなどと連携して県全域で盛り上げるよう提案。一見知事は「良いヒントを頂いたので検討したい」と述べた。

【再選出馬】

服部議員 知事の提案説明や行政展開方針を見ると、前向きな姿勢が感じられる。3年前は新型コロナウイルスへの対応や国民体育大会の中止などで苦労したと思う。2期目も頑張ってもらおうとエールを送る。

知事 皆さんのおかげで曲がりなりにも知事を続けることができた。姿が見えてきたものもあるし、まだ地に着いたばかりのものもある。課題は山積。4年目も県議会の力を借り、ふるさとのため、同胞のため、子どもたちのために尽くす。

【熊野古道】

服部議員 熊野古道伊勢路は7月で世界遺産の登録から20周年を迎えたが、PRが弱いのではないかと思う。全国にPRしなければならない。北勢や中勢などの祭りとも連携するなど、県全体で盛り上げるべき。

知事 ホテル誘致の補助率を上げたほか、今月26日からはバスも運行する。東京で20周年記念サミットも開いた。小さな一歩だが、少しずつ変わってきている。プロモーションだけではなく、観光インフラの整備も着実に進めたい。