【尾鷲】伝統的な漁村文化を体験する「梶賀満喫」が13日、三重県尾鷲市梶賀町一帯であり、県内外の参加者18人が、あぶり作りや艪(ろ)こぎを通じて町の魅力を味わった。
同市向井の県立熊野古道センターで14日まで開いていた企画展「わが郷土のお祭り 梶賀町・ハラソ祭り」の付属事業で、同センターの野村真知子さんが企画した。
この日は、町民が町の伝統保存食「あぶり」の作り方を説明。参加者らは、サクラの木を燃やしたたき火台に、冷水にくぐらせたサバを並べて素手でひっくり返した。
梶賀漁港では救命胴衣を着て乗船。地元漁師らの指導の下、艪の持ち方や押し引きの力加減などを学び、練習を繰り返した。真っすぐ進めずに苦戦する姿も見られた。
また、配布された地図に示した見どころを各自で巡る町歩きもあり、自然や町並みを堪能しながら写真に収めた。見どころを全て回った人に記念品の根付が贈られた。
一人で参加した同市地域おこし協力隊、山田由依さん(31)は「全身の力を使ってこいだ。引くときにバランスを保ちづらく、真っすぐ進むのは難しかった」と話した。
ハラソ祭りは町の捕鯨業を後世に伝える伝統行事で、沖合で百年以上続いている。大漁旗を掲げた小舟に乗った男衆が艪をこいで進む。毎年1月の第2月曜日に開く。