2024年10月16日(水)

▼石破茂首相は「日本創生の選挙」、野党第一党の立憲民主党の野田佳彦代表は「裏金隠し解散」―選挙の争点に何をあげるかはそれぞれだが、「政治とカネ」の問題に多くの有権者が注目し、各政党も意識していることは間違いないだろう

▼総選挙が公示され、県内でも小選挙区に13人が立候補した。「政治とカネ」というより裏金問題で直接問われるのは4区の鈴木英敬候補ということか。本紙の選挙直前企画『衆院選三重選挙区を行く』で、全4選挙区のうち、新人らが「裏金問題」の批判を強めるのは4区だけらしい

▼鈴木候補が3年前までの10年間、抜群の手腕を誇る知事として県民の信頼も厚かったことを思うと嘆かわしいが、いわゆる脇が甘いことは指摘されていた。その第一は、知事就任前に暴力団との交友が取りざたされる業者から顧問料を受け取っていたこと。その2は、国の公共工事を受注している13社から寄付を受けていたこと

▼知事時代も、後援会長を県監査委員に任命して議会から批判を受けた。裏金問題では、政治資金収支報告書に280万円の不記載があり、本人は「信頼回復に向けて退路を断つ」と比例代表との重複立候補はしないことを表明した

▼「秘書と派閥事務局のやりとり」の結果という。暴力団との交友業者や公共工事受注業者からの寄付などは「知らなかった」。いずれも法的問題はないことを強調した

▼一度ならず二度までも、あるいは一度ならず二度、三度という。一度でも起きてほしくないことなのに…の意味の慣用句である。