▼コロナ禍後の人の流れは、東京一極集中の再開と地方分散の加速の二極化といわれる。リモートワークなどで、都会での働き方を見直す機会になったのかも知れない。地方への移住支援の企画は回を追うごとに参加者が増えているともいう
▼三重県への移住者も増加傾向で、都内に相談窓口「ええとこやんか三重 移住相談センター」を開設した平成27年は124人だったが、令和3年度は541人となり、6年連続で過去最高を更新している。が、その後の移住世帯は1097世帯。横ばいといったところか
▼県の担当部門が7日に議会に報告したのは、移住世帯を対象にした満足度を問うアンケート結果だった。移住促進の施策に生かすのが目的というが、報道の範囲では、結果に目新しい設問も、回答もない。施策に行き詰まり、とりあえず実施したのではないなら幸い
▼回答した211世帯の満足・不満足度は漠然としている。「満足」と答えた157世帯の一番は「自然が豊か」で「実家が近い(実家に戻る)」が続く。「不満」は「生活環境」や「交通機関」の不備。県や市町などの担当部門の施策が特に成果を上げた形跡はない
▼都会などで全国の県、市町村の参加を求めて移住相談を企画する時、それぞれの自治体の中には魅力をアピールすることで移住希望者の関心を集め、実績につなげているという。生活環境や交通機関の課題が急に改善されることがない以上、どんな魅力を整備・創造して、訴えていくかである
▼空き家対策などで住環境を整備するなどは、県がすぐにでもできる施策だろう。