<衆院選三重選挙区を行く・3区>強固な地盤誇る岡田氏 立民の「牙城」、自民いかに迫れるか

12選を目指す立民前職のベテラン岡田克也氏に、自民前職の石原正敬氏と維新新人の伊藤昌志氏が挑む。立民の「牙城」に2氏がいかに切り込むかが注目される。

副総理や外相をはじめ、旧民主党時代から数々の要職を歴任した岡田氏。知名度も抜群で強固な地盤を誇る。過去の衆院選では、対抗馬を大きく引き離してきた。

この約2年間は党幹事長として泉健太代表(当時)を支え、延べ280人の候補者支援に当たった。政権交代が実現する可能性について「感触は7割」と自信を見せる。

他方、要職に就く間も地元での活動には余念がなかった。「有権者と直接話す機会が大事」と、週末は地元の住民らと対話する「青空座談会」を頻繁に開いてきた。

ただ、今回の選挙期間も候補者支援で全国各地を飛び回る予定。自らの選挙区内で活動できるのは数日にとどまるというが、陣営幹部は「慣れている」と覚悟する。

対する石原氏は2選を目指して臨む。初出馬となった前回は小選挙区で破れたが、比例復活で当選。岡田氏の対抗馬としては平成24年以来、3回ぶりの比例復活となった。

これにより、自民は県内小選挙区の全候補が当選するという「出来過ぎの結果」(県連幹部)を得た。今回も全員当選を目指す自民にとって、石原氏の再選は絶対条件となる。

ただ、自民にとって県内最難関の選挙区であることに変わりはなさそう。「裏金問題」の影響で自民が比例代表の獲得議席を減らせば、復活当選のハードルも上がる。

「地元に帰らなかった週末はない」と言う石原氏。選挙区内では「国政報告会」などの活動を地道に重ねてきた。「なんとか永田町に戻りたい」と意気込む。

元四日市市議の伊藤氏は今回が初挑戦。毎朝の街頭演説で知名度向上を図る。「まずは減税を」と訴え、他候補との違いを強調。前職2氏の得票に与える影響も注目される。