伊勢新聞

宝刀「村正」も万博へ 三重県ブースの「目玉」展示3件目 桑名宗社所有

【定例記者会見で「村正」の展示を発表する一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は10日の定例記者会見で、来年の大阪・関西万博に設ける県のブースに、桑名宗社(桑名市本町)が所有する宝刀「村正」(県指定文化財)を展示すると発表した。

県によると、展示する宝刀は村正でも特に評価が高い2代目が天文12(1543)年に作成。全長約75・7センチで約900グラム。桑名宗社内にある桑名神社の旧称「三﨑大明神」の彫りがある。

太平洋戦争中に十分な手入れができないことから、保護のために漆を塗っていた。専門の研師によって漆を落とす作業が進められているといい、来年5月にも仕上がる予定。

国内外で刀剣への人気が高まる中で、県が桑名宗社に展示物の提供を依頼したことがきっかけ。「歴史・文化」をテーマにした期間中に、20日間から1カ月間ほど展示する予定。

展示物の発表は、御木本幸吉が制作した「自由の鐘」と伊勢神宮内宮正殿の鰹木に続いて3件目。県は展示の「目玉」を入れ替えて来場者を増やしたい考え。残り3つの目玉も順次、発表する。

一見知事は会見で、漆を落として展示することで「本来の姿が見てもらえる」とアピール。「刀剣のファンは多く、外国でも人気が高い。三重に来てもらえるきっかけにしたい」と語った。