【尾鷲】三重県尾鷲市三木浦町の長久丸は10日、10月の創業100周年を記念して限定1人に100万円で販売する「天然本マグロ一本」を公開し、機械で加工した。10月末まで購入者を募集している。
同社は大正13年に創業し、故大門長一さんがカツオ一本釣り漁船「第一長久丸」を建造。昭和35年にマグロ漁を始めた。平成16年に大門長正さん(57)が現在の三代目社長に就任した。
昨年10月、乗組員24人が自社の遠洋マグロ漁船でアイスランド沖へ出航。約3カ月で396本を釣り上げ、清水港(静岡県)に水揚げした。パナマ運河の渇水で帰航が遅れたという。
今回のマグロは140キロ級。水揚げされた平均200キロのマグロと比べ小ぶりだが、大門社長自らが脂乗りがいいものを目利きしたといい「豊洲市場に出せばみんなが寄ってくる魚」と評した。
職員らがマイナス55度の冷凍庫から取り出し、加工機で頭と尾を切り落とした。背骨の中心に刃を通して四つ割りに加工。最終的に皮むきをし、購入者が希望する大きさに切り発送する。
大門社長は「私の生まれる前から家族や地域に支えられて100周年を迎えられた」と感謝。「良い製品をより安くという気持ちで、さらに100年、200年と地域に根付いていきたい」と話した。
本マグロは相場より2割ほど安く提供するという。限定1人に5回に分けて発送する。全国から応募可能で、応募者多数の場合は11月2日に同市港町で開く「おわせ魚まつり」で公開抽選会を実施する予定。申し込みはホームページ「問い合わせ」か、長久丸冷蔵=電話0597(25)2100=へ。