かんきつ「新姫」収穫開始 熊野特産、焼酎や焼き魚に絞って 三重

【新姫を収穫する公社の職員ら=熊野市紀和町の公社長野ほ場で】

【熊野】三重県熊野市紀和町の市ふるさと振興公社の長野ほ場で10日、市特産の香酸かんきつ「新姫」の収穫が始まった。早朝から職員らが緑色の実を手作業で摘み取った。

新姫はニホンタチバナとマンダリンが自然交配した品種とされ、平成9年に品種登録された。強い酸味と爽やかな香りが特徴。調味料や焼酎の割り材に活用される。

今年は収量が減少する「裏年」に当たり、ほ場の木々に新姫がまばらに実っていた。公社を含む市内22軒の収量は昨年から10・4トン減の16トンに落ち込む見通し。

初収穫の同日、職員10人ほどが枝にはさみを入れ、実を一つずつ丁寧に収穫した。実は例年通りの大きさで色づきも良いという。収穫作業は11月下旬まで続く予定。

公社の辻加純さん(25)は「全体的に量は少ないが、今年も良い実に育ってくれた。お酒に合わせたり、焼き魚に果汁を絞って食べたりするのがおすすめ」と話した。

職員らで出荷基準を満たす汚れのない3センチ以上の実を選別し、一部はジュースやポン酢、キャンディーに加工される。同市木本町の鬼ケ城センターで販売する予定。