伊勢志摩舞台の「海賊忍者」出版 三重出身、諏訪宗篤さん新人賞作

【諏訪宗篤さんの「海賊忍者」】

KADOKAWA(東京都千代田区)はこのほど、三重県出身の諏訪宗篤さん(50)の「海賊忍者」(1870円、四六判288ページ)を出版した。伊勢志摩を舞台にした歴史小説で、第15回「小説 野生時代 新人賞」受賞作。

諏訪さんは名城大学法学部卒業後、ゲーム製作会社やデザイン事務所に勤務。平成29年に「商人伊賀を駆ける」で朝日時代小説大賞を受賞した。

「海賊忍者」は伊賀忍者で志摩海賊の主人公が、伊勢の戦国大名北畠氏の姫君を救い、織田信長を敵に回して、甲斐の武田を引き入れ、熊野水軍を動かす活劇。巻末の参考文献リストは吉田正幸「志摩海賊記」(伊勢新聞社)など五ページにわたる。

新人賞選考委員で作家の沖方丁氏は「史実を巧みに利用し、ときにコミック的に、ときにゲーム的に描く。熱量に圧倒されました」と講評している。