有罪判決の三重県職員失職 居眠り運転で人身事故

三重県は9日、交通事故を起こして相手方に大けがをさせたとして、有罪判決を受けた中央家畜保健衛生所の男性課長級職員(58)が地方公務員法に基づいて同日付で失職したと発表した。

県によると、男性は昨年7月14日午後6時40分ごろ、伊賀市内の国道で自家用車を居眠り運転し、対向車と衝突。相手方に首の骨を折るなど加療約6カ月間の大けがをさせた。

男性は今年6月、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の罪で、津地裁から禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。名古屋高裁でも同じ判決を受け、今月9日付で判決が確定した。

地方公務員法は禁錮以上の刑を受けた場合に失職すると定めている。男性は失職の回避を求めて分限条例の例外規定を適用するよう県に申請したが、県は事故の重大性などを踏まえて退けた。

男性は事故当時、帰宅途中だった。県の聞き取りに「被害者には計り知れない迷惑をかけた。引き続き誠意を持って謝罪する。県政の信用を失墜させたことを深く反省している」と話している。

県は男性からの申告で事故を把握した。人事課は「一度の不注意で職を失うことを全職員に強く認識させる」と説明。男性を処分しなかった理由は「判決を注視する必要があった」としている。